消防設備を中心に情報発信しているJumoです!本日は消火器の中身についてよく友人から尋ねられるので、今回は学校や駅などいたるところに設置されている消火器の薬剤や人体への影響について解説していきます!
以下に当てはまる人を想定した記事です
- 消火器が職場や学校などに設置してあるが、中身について知らない方
- 消火器は一般的にどのようなタイプが置かれているか気になる方
- 消火器は水が放出されると思っている方
前提:様々の種類の消火器があるが、一般的に設置されるのは粉末状
消火器の中に入っている薬剤は水や泡、二酸化炭素など様々な種類が存在します。しかし消火器市場の90パーセント以上を粉末消火器の中でもリン酸アンモニウムを主成分としたものが占めています。
こちらの消火器は消防業界では「ABC粉末消火器」と呼ばれており(理由は後述)、淡紅色(ピンク色)の粉末です。
本記事は消防設備士向けに書いているわけでも無いため、日頃皆さんが接する可能性の低いであろうものを取り上げても仕方ないので、今回は粉末消火器にスポットライトを当てていきたいと思います。学校や職場、駅などに設置されている消火器のほとんどが粉末が放出されると思っていただいて間違い無いです。私は消防設備士になるまではてっきり消火器の中身は水だと思っていたのですが、実は粉末が放出されるものがほとんどであると知りとても驚きました。※もちろん水の消火器も存在はしますが、設置されているケースはレアです。
結論:粉末ABC消火器は基本的には人体に害がない
先ほど90パーセント以上のシェアを誇ると伝えた「ABC粉末消火器」ですが、なぜこのように呼ばれているかを説明します。火災にはA火災(普通火災)、B火災(油火災)、C火災(電気火災)の3種類が存在します。消火器の薬剤の種類に応じて適応する火災が存在するのですが、なんとリン酸アンモニウムを主成分とした粉末消火器はこの全ての火災に対応しているんです。そのため「ABC粉末消火器」と呼ばれ、その万能さ故に設置されるほとんどの消火器がこのタイプになっています。
見出しで結論をお伝えしましたが、消火薬剤の主成分であるリン酸アンモニウムは肥料などにも使われている成分で、人体に毒性や有害性は基本的にはないとされています。だからと言って大量に吸い込んでしまったり目に入れてしまったりすることはないように気をつけてください。少量の吸引程度であればうがいで口を綺麗にすすいでいただければ、そこまで気にしなくていいのですが、もし大量に体内に入ってしまった際に医療機関へ受診をしましょう。
まとめ:消火薬剤の9割以上は粉末状で、人体にほとんど影響なし
ここまで消火器に害があるのかについて解説してきました。中には吸い込むと危険な薬剤を使用しているケースもありますので、一概に言い切ることはできませんが、ピンク色の粉末の消火器は基本的に人体に影響がないということだけでも今回の記事で頭に入れておいていただけると、万が一の時も落ち着いて行動ができるかなと思います。私が実施している点検現場でもほとんどの消火器がABC粉末消火器となっています。皆さんも学校や職場などにある消火器の種類を見ていただければ粉末消火器が置いてある可能性高いかと思われますのでぜひ一度確認してみてください!
今回は消火器について初めての記事だったので、粉末消火器について書きましたが今後は他の消火器の必要性についても書いていこうと思っております!ぜひ引き続き当ブログをよろしくお願いします!
おまけ:消防設備士の私が選ぶ最おすすめ消火器
業務用の消火器メーカーというと「ハツタ」「ヤマトプロテック」「モリタ宮田」「マルヤマ」等がありますが、私が個人的におすすめの消火器はモリタのアルテシモです。
理由はシンプルに2点で、「軽い」「底に樹脂カバーがあるので錆びない」これは日ごろ何百本と消火器を点検している私から見ても間違いないので、もし偶然業務用消火器が必要な方がいればおすすめです!
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